2005年05月06日

完全な戦争放棄 - 九条と自衛隊

改憲容認が77% 本紙世論調査、戦争全面放棄、自衛戦争容認に二分北海道新聞
憲法「自衛隊規定を」7割、9条改正反対51%asahi.com

 憲法改正についての世論調査が行われている。北海道新聞asahi.comのWEB記事を読んでみた。
 改憲についての是非はともかく、私が興味を持つのは「完全な戦争放棄」を主張する人がどれぐらいいるのか、である。なぜなら、そこを始めにハッキリさせておかないと、何のための憲法改正だかわからなくなってしまうと思うからだ。

 さて、北海道新聞によれば、77.0%の改憲容認派の中で、「自衛戦争も含めてすべての戦争放棄を明記」と答える人の割合は39.0%。また、護憲派は21.2%。護憲派のうちどの程度が「完全な戦争放棄」に賛成しているのかは記事からは読み取れないが、仮に改憲容認派と同じ39.0%が賛成しているとするならば、全体の4割近くが「完全な戦争放棄」に賛成していることになる。おそらくこの4割の人々は、自衛隊の廃止にも賛成するはずだ。

 一方でasahi.comの記事では、「自衛隊は違憲なので将来は廃止する」という人の割合はわずか7%である。自衛隊は違憲なので廃止、ということは、完全な戦争放棄を主張していると考えてよいだろう。北海道新聞では4割近かったにもかかわらず、7%という割合はいかにも少ない。
 ところが、九条を「変えない方がよい」と答えた人は全体の過半数を占める。また、「自衛隊の存在を明記」という人でさえ、九条改正の賛否は双方4割台で拮抗しているとの事。
 九条と自衛隊が矛盾しているのではないか、というのが以前からずっと問われてきた憲法改正の肝の一つだと私は理解しているのだが、少なくともasahi.comの世論調査結果からは、「矛盾していない」と考える人が多いということか。このことは「憲法世論調査解説 現実容認し、理念は尊重」という記事にも書いてある。


 以下、北海道新聞 より。
改憲容認が77% 本紙世論調査、戦争全面放棄、自衛戦争容認に二分
2005/04/30 07:19

 北海道新聞社は五月三日の憲法記念日を前に、憲法改正に関する全道世論調査を北海道新聞情報研究所に委託して実施した。「全面的に改めるべきだ」「一部を改めるべきだ」を合わせた「改憲容認派」は77・0%に上った。ただ憲法論議の最大の焦点である九条については、改憲容認派の中でも「すべての戦争を放棄」「自衛戦争は容認」などと意見が大きく分かれ、平和主義を強化する目的での改憲論が相当数あることを裏付けた。

 調査で「全面的」改憲を支持する人は14・6%、「一部」改憲の支持者は62・4%。改憲の必要がないとする「護憲派」は21・2%だった。

 しかし、改憲容認派に九条一項の「戦争放棄」についての考えを聞いたところ、「自衛戦争も含めてすべての戦争放棄を明記」(39・0%)が最多で、「自衛のための戦争であれば良いことを明記」(37・9%)とほぼ拮抗(きっこう)。戦争放棄をより明確にするために九条改正を求める「護憲的」改憲派が相当数いることを示した。「(九条一項は)変更しなくても良い」は10・4%。一方、今回調査で新設の質問である「戦争放棄の条文は全面削除」は7・5%だった。

 また「戦力の不保持」を定めた九条二項の自衛隊の位置付けについては、「陸海空軍などの戦力保持を明記すべきだ」(48・6%)と、「変更しなくて良い」(45・7%)とに意見が割れた。

 憲法解釈で禁じられている「集団的自衛権」については「現行解釈は妥当」(21・2%)、「憲法を改め、行使できないようにする」(23・2%)を合わせた「行使否認派」は44・4%で、「行使容認派」の28・4%を上回った。

 改憲のための国民投票法の制定については「賛成」(59・8%)が「反対」(11・4%)を大きく引き離した。


 以下、asahi.comより。
憲法「自衛隊規定を」7割、9条改正反対51%
2005年05月03日01時36分

 3日の憲法記念日を前に、朝日新聞社は日本国憲法について全国世論調査を実施した。憲法全体をみて「改正する必要がある」と答えた人は56%で、04年の前回調査の53%より増えた。「改正する必要はない」は33%(前回35%)だった。自衛隊を巡っては、「存在を明記」と「普通の軍隊とする」を合わせ、憲法改正による位置づけを求める意見が7割に達した。ただ、9条をどうするかについて聞くと「変えない方がよい」(51%)が半数を超える。自衛隊と憲法の整合性を求める半面、平和主義は堅持したい意識がうかがえる。一方、先月、最終報告書をまとめた国会の憲法調査会については「知らない」が71%にのぼった。

 調査は4月24、25の両日、全国の有権者3千人を対象に面接方式で実施した。

 憲法改正について同じ質問を重ねてきた97年以降をみると、「必要がある」は46%(97年)→47%(01年)→53%(04年)→56%(今回)と増えている。これに対し、「必要はない」は39%→36%→35%→33%と減少の一途だ。

 この間、国会では改憲に肯定的な自民党と民主党による二大政党化が進んだ。自衛隊の海外活動の範囲も広がった。こうした政治状況の変化も、改憲意識が広がる背景にあると見られる。

 憲法と自衛隊の関係では「自衛隊は今のままでよいが、憲法を改正して存在を明記」が58%で最多。「普通の軍隊とするため改正すべきだ」の12%を合わせると、7割が自衛隊を憲法に位置づけるよう求めていることになる。「政府の解釈や運用で対応してきたので改正の必要はない」は16%、「自衛隊は違憲なので将来は廃止する」は7%だった。

 冷戦さなかの80年調査では、自衛隊を憲法で認めるため憲法を改正するかどうかについて、「賛成」(44%)と「反対」(41%)が拮抗(きっこう)していた。冷戦の終結や9・11テロを経た今回の調査では、国際情勢が変化するなかで活動の幅を広げた自衛隊の実態と、9条で「戦力不保持」を掲げる憲法との乖離(かいり)を解消したいという気分が一層、強まっているようだ。

 ところが、9条自体の改正の賛否を問うと、「変える方がよい」は36%で、「変えない方がよい」が過半数を占める。「自衛隊の存在を明記」という人でさえ賛否が4割台で並ぶ。

 一方、憲法改正の問題に「関心がある」と答えた人は、「大いに」(14%)、「ある程度」(51%)を合わせて65%。愛国心が「大いに」(24%)、「ある程度」(56%)あると答えた8割の人では、関心は71%にのぼる。

 ただ、衆参の憲法調査会のことを「知っている」と答えた人は全体で27%止まり。報告書の内容まで知っている人は3%しかいない。憲法改正の問題に関心のある人でも、調査会を「知っている」人は35%だ。

 憲法改正を「差し迫った問題」とみる人は30%。いま、政治家に取り組んでほしいテーマで憲法改正を挙げる人は7%にとどまる。憲法改正への関心はそれなりにあり、改憲も容認はするが、議論が盛り上がる「永田町」ほど改憲に熱意をもっているわけではない。そんな国民の姿が浮かぶ。
posted by しろ at 13:34| Comment(2) | TrackBack(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
> 憲法と自衛隊の関係では「
前に似たようなウェブ投票をしたことがあります。
憲法第9条は、積極的に改正して、自衛隊だろうが徴兵だろうが「できないように」改正したいと思うんですが、
これってなぜか選択肢にないんですよね。
Posted by itochan at 2005年10月05日 03:03
itochanさん、コメントありがとうございます。

選択肢に無い・・・なぜ無いのでしょうね。それを主張する政党が無いからでしょうか。社民党か共産党辺りが主張しても良さそうなものです。

んー・・・上記二党にも、自衛隊が無くなると困る構造上の問題があるんでしょうか・・・よくわかりません。
Posted by しろ at 2005年10月17日 18:03
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Tracked: 2005-05-07 02:42
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